甲状腺検査の現状

今、福島県内では子どもの甲状腺エコーの検査を実施していますが、独自の診断基準で統一されていて、A2判定(5.0㎜以下の結節や20.00㎜以下の嚢胞を認めたもの)では二次検査必要なしとされています。

福島県の甲状腺エコーを受けて、他の病院に診察を受けに行っても、「県の検査で十分なので、説明して帰すように(診察しないように)」と具体的に甲状腺学会から通知が出ています。

そして、自主避難した方々の小児甲状腺エコーの検査は、今のところ福島県内の指定された病院しか受けられません。
避難先での検査を受けようと思っても、甲状腺学会の通知があるため、医師の善意や、学会の通知に従わないという覚悟を必要とする状況です。
従って、自主避難先の北海道で、思うように甲状腺の詳細な検査が受けられない現実があり、今もなお検査を受けられる病院を探し続けている一方、状況によっては、遠方の専門医のところに出向くこともやむを得ません。
そして、福島県での甲状腺エコーは事故当時に18歳以下の子供だけです。
19歳は、20歳は問題ないのでしょうか?事実、事故後に甲状腺に異常がでた20歳の福島県民もいます。

甲状腺に異常を引き起こすと言われている放射性ヨウ素について、政府や、福島県は、原発事故後の放射性ヨウ素の被曝は問題ない、と言いますが、果たして本当にそうでしょうか?
ヨウ素131の半減期は8日と短く、どれだけ内部被曝してしまっても、80日後には1024分の1となり、ホールボディカウンターで測定しても、検出限界以下になってしまいます。
福島県で、県民がホールボディカウンターで内部被曝を測定できるようになったのは、事故から5か月後の8月からでした。いったい、私たちは、そして子供たちはどれくらいヨウ素を被曝したのでしょうか?

事故から11か月後になって、原子力安全委員会から1つの文書が出ました。事故直後の甲状腺の内部被曝検査の詳細な追加検査を国が行わなかった理由が書いてあります。

安全委員会は国の原子力災害対策本部に、原発事故後の2週間後の3月30日、
甲状腺の追加検査の要請をしています。しかし、4月1日に国の対策本部が追加検査をしない理由はこうです。

甲状腺モニターは230kg(後に1トンと修正)で、重く移動が困難
測定のため子供に遠距離の移動を強いる
追跡調査を行うことが、本人、家族および地域社会に多大な不安を与える恐れがある
しかし、安全委員会はその理由を良しとはしなかったのですが、結果、詳細な甲状腺の内部被曝の追加検査は行われませんでした。
安全委員会は「対策本部の対応には納得いかなかったが、領分を侵すと思い、これ以上主張しなかった。」
被災者災害対策支援チームは「当時の詳しいやりとりはわからないが、最終的には関係者の合意でやらないことになった。今から考えればやったほうがよかった」とコメントしています。
(2012年2月21日、毎日新聞のニュースサイトより)

原発事故から1年以上たった今となっては、甲状腺にヨウ素の内部被曝をどれくらいしていたのかは、調べようがありません。
過ぎたことは仕方ありませんので、次善策として、できるだけ早く、できるだけたくさんの子供たちの甲状腺検査が行われるよう、どうぞ皆様のお力をお貸しください。

福島県内の子供の甲状腺検査は、原発事故から3年後の2014年の3月までにすべての子供の検査をする、というものです。様々な病気に対して早期発見・早期治療といわれている昨今ですが、この仕組みでは、一番最後に検査をする子供たちは、事故から3年後なのです。

順番が回ってくるまで、小さい子供たちは本当に大丈夫なのでしょうか?

また、数年後に「やっぱり早く検査しておけばよかった」というような事にはならないでしょうか?
できるだけ早く、できるだけたくさんの子供たちに甲状腺検査を受けさせてください。そして、一次検査で甲状腺に異常が見つかった方へ二次検査を受けさせてください。
私達は現代における当たり前の受診を望みます。